2025年、最初の本を読んでみて。

2025年1月の頭

 

六甲アイランドから大分行きの

さんふらわぁの船内でのハナシ

 

 
 
いつもお世話になっております
フェリーさんふらわぁ
僕は毎月フェリーさんふらわぁに乗る
船に乗る理由はただ一つ
“フェリーが大好きだから”である
 

 

決して名前に”海”がついてるからといって
“名前に海がつくヒト割引”とかはないけれど
(ワンチャンあってほしいけれど)
さんふらわぁに乗る
 
 
“さんっふらわぁ〜♪さんっふらわぁ〜♪
たいよぉ〜うに、あこぉ〜がれってぇぇ〜〜〜♪”
と船内に時折流れている、あのさんふらわぁオリジナルgoodソングが
そろそろカラオケの十八番になっていると公言しちゃってもいいぐらいかもしれない。
そのgoodソングが毎回脳内で無限ループされているあの心地良さが半ば中毒になっている。
 
とりあえず船そのものが好きなのである。
と最近になり、ふと気付いた。

 

船内には売店がひとつある。
お土産やお酒やスナック菓子、アイス、アメニティ等が揃っている。
レジのカウンターの下の方に目を向ければ
なんと数十冊の本まで売っている。
誰がこの本を厳選しているのかは定かではないが、
その本の位置が動いてるとこは僕は未だに見ていないから、ちょっと本が可哀想だと思い、以前はココでこちらをゲットした。

 

 
 

 

 

こちらの本もかなり良かったのでオススメです。
ついつい毎回なにか買っちゃう。
というよりは身体が勝手に引き寄せられて行く
つまり魔法の売店だ。

 

 
その横にはたぶん8〜10畳ぐらいのスペースの自販機コーナー
カップ麺やアイス、お酒も売ってて、プチカウンターもあり、立ち食いスタイルも可能だ。
さらにその横にはゲームセンターもある。
クレーンゲームやスロットなど、子どもが喜びそうな、なんとも愉快なエリアだ。
そこの空間を行ったり来たりできる、いわゆる通路があるのだが、
その名も”プロムナード”という名称の通路。
そのプロムナードから窓の外に広がる瀬戸内海や、豊後水道の海を眺められる窓が等間隔であり、
椅子もその窓と同じだけ等間隔に並んでいる。
 
船内放送でたびたび乗組員の女性の声でアナウンスをする。「プロムナードにございますぅ〜…」という響きもまた、なんだか耳心地が良いのは僕だけではないはずだ。これも船に乗る動機のひとつになっているのかもしれない。(もはや何でも心地良くなってる。)

 

 
失礼、前置きが長くなりました。
ココから本編へ突入する。

 

 
早朝5時半ごろに目を覚ます。
8時20分に西大分港に着岸予定だ。
窓を覗けば、あたりの空はまだ暗いが、
東の空からほんのりと、太陽が朝の準備をしているのがわかる。
なんとも気持ちが良い。
僕は歯を磨き、顔を洗い、準備をチャッチャと済ませて
ツーリストルームという大部屋(いわゆる雑魚寝スペースだけど、ちゃんと番号がある全席指定システム)を出て、
あえてプロムナードにある椅子に座り、海を眺めながら朝の読書をすることにしている。
 
例によって今回も西宮ガーデンズで ※ヤバいブツ が手に入った。

 

※注)本のことです

 

 
 
 
 
『細かいところが気になりすぎて  銀シャリ/橋本直』
 

 

 

 
神戸.西宮と必ず立ち寄る”行きつけの本屋さん”でその”ブツ”を入手した。
(“行きつけの本屋さん”なんて言うと、こだわりの本だけをそろえた雰囲気のある店主が鎮座するこじんまりしたお店を想像させるが、僕の行きつけは誰もが知る大型の本屋さんだ)

 

 
前日の夜には、もうほぼ読了の一歩手前だったので、
この早朝の船内でラストスパートをかける予定だった。
本のページをめくるたびに、僕の脇腹を毎回コショコショしてくる。
流石が銀シャリ、橋本さんだ。
もう家だったら声を出して笑っていたところだが、
今は家じゃなくプロムナードだ。
だから笑いを堪える。
 
たまに本を見てニヤニヤしてる人を見ると、(スマホも同様に)その本の内容(スマホの中身)が気になるのは僕だけだろうか。あぁ、、ヤバいぃ!

 

 
今、僕はまさにその状況下にいる。

 

 
どんな内容であったにせよ、いい歳したメンズ一人にやけスタイルはあやしさ極まりない。いや、ポジティブに言い換えよう。あやしさ100点満点だ。

 

 
いい歳したメンズ一人にやけスタイルだけは、まわりにバレたらダメだ。プロムナードをさりげなく見渡し確認する。
大型書店さんでカバーかけてもらっているスタッフさんの労力を水の泡にしてはならない。
ちらほらプロムナードには人がいるが、僕がニヤニヤしているのは、バレていなかった。
良かった汗。
口元のニヤニヤが出るたび、手であくびするふりをして隠しながら、また海を眺めて、ニヤニヤする。

 

 
 
 
 

 

 

 
と、その時だった。
 
本のページをめくった時に起こる紙の風圧の、
その微妙な空気の動きに煽(あお)られて
朝にはきつめなジャンクなflavorが
僕の鼻をかすめてきた。

 

 
ん!!!!!!!!、このにおい、まさか?
思わずビックリマークが8個も並ぶ。

 

 
僕の座っている背後を通り過ぎた
20代前半(推測)の女性。
自販機コーナーで売られていた
熱々のカップ麺を片手に持ち(1番ベーシックなあの味の匂い) ちょうど真横の席に座ってきた。
朝7時過ぎたころだ。

 

 
その席についた直後、
「カシャカシャ、カシャカシャ!!!」
一眼レフのシャッター音の連写が、
プロムナードに谺(こだま)し、
僕の読書欲に霧をかけてくる。
女性は手持ちの一眼レフで
めちゃくちゃ撮ってる。
スマホのカメラの音ではない。
一眼レフでめちゃくちゃ撮ってる。
これでもかってぐらい撮ってる。
一眼レフのシャッター音だから
ちょっと心地良いかも。と思いかけたが
いやいや、惑わされるな。
撮ってる姿を凝視するのはさすがに失礼だから、
ちゃんと確認はできないけれど、
確実に何かをめちゃくちゃ撮ってる。

 

 
そう。
朝7時過ぎの出来たてのカップ麺を
撮りまくっているのだ。
プロムナードの窓は全て出窓の様な構造。
カップ麺をちょこんと窓際に置いて海とカップ麺のコントラストを狙った”映え”という至ってシンプルかつ正々堂々とした撮影の戦法だ。

 

 
カップ麺の湯気と、別府湾の美しい海を意識しながら(推測)カップ麺をめちゃくちゃ撮ってる。
#麺リフト(箸で麺を掬い上げる図)しながら撮っているのかは、ココからは確認できない。

 

 
もう銀シャリ橋本さんには悪いが、本の内容が全く入ってこない。
 
しかし読むのを止めるわけにはいかない。
フェリーも容赦なく西大分港に進む。
なんとかうわの空でも読み進めることにした。
皮肉なことにうわの空と相まって、ふと見上げた別府湾の空が、
いつもより美しく感じる。

 

 
(ココからエセ関西弁の心に声に火がつく)
いや、まだ撮る?
100カシャはゆーてるょ。
はよ食べり、冷めてまうで。
てか朝からカップラーメンて胃が強いな。
いやぁ〜若いっていいな。
そういえばオレも小学生のとき
兄ちゃんと父さんと三人で
細(地名)の海釣り行ったんやけど、
その時に外で食べたカップヌードル
最高やったなぁ。
 
母さんが昼間にポットとカップヌードルだけ
車でわざわざ持ってきてくれてなぁ。
やっぱ外で食べるカップヌードルの右に出る
食べ物はないなぁ〜。って。
いやいつまで撮るねん
もう湯気出てないやん。
(ココまで体感約5分)

 

 
ようやく箸に手が伸び、さらにこれでもかってぐらいフーフーしていた女性。
そんなに猫舌なん?
口に入れた途端「ゲホッゲホッ」って
食べる度にむっちゃむせてる。

これでもかっ!!!っというぐらい

むせまくっている。

なるほど。
喉に通らせてくれないのか麺よ。
写真撮り過ぎて”食事への感謝”を忘れたから
喉を通らせてくれないのか麺よ。
麺が怒ってるで。ちゃんと謝っとこう。
ごめん(麺)ねって。
(エセ関西弁の心の声の火、ココで鎮火。)

 

 
そして気付けば8時20分、西大分港に着岸。
ラストスパートをギリギリで読了し、
本を黒のデイパックにしまう。

 

 
この本の最後の最後のページには、
すごい重要なことが書いてあった。
 
何かとモノゴトが気になったりしやすいとか、
考え事し過ぎてストレスを溜めやすい人、僕の様な気にしぃなヒトにとっては、まさに助け舟(フェリーだけに)のようなステキな内容だった。

 

 
 
日々のストレスがコレで少し楽になくなるなら
是非とも最後のページのことを試してみてほしい。そんなニヤニヤが止まらない良い本でした。

 

 
(この本を読んだ後に、またこのブログを読見返してもらえるとエセ関西弁の心の声の火も妙に納得していただけるかもしれません)

 

 
長文、今回も読んでいただきありがとうございました。

 

 
本はアトリエにも置いてますので、気になる方はお声がけくださいませ。