atelier334 / 3rd anniversary

2021年4月10日

atelier334はお陰様で無事に3周年を迎えることができました。

感染症のこともあり、今年1月から月の半分しかオープンしないようにと、

試行錯誤し、ご不便をお掛けしてしまいながら変化をつけていった一年でありました。

そんな中でも、足を運んでいただいております方に心から感謝しております。

ありがとうございます。

この3周年からもう一度、初心にかえるため、他のSNSではなく

プラットホームをホームページに戻して行く試みを開始しました。

(他のSNSを辞めるわけではありません)

 

アトリエ3周年記念のコラム。

これを書いていいものかと正直迷ったのですが、

やはりここに残しておきたい気持ちがあったので、

少しお付き合いいただけると嬉しいです。

(photo by cape light)

 

初めてアトリエを訪問された方に、よく聞かれることがあります。

「どういう経緯で、なんでこの場所にお店を構えることになったんですか?」

今日はそれもふまえてここに書いてみようと思います。

この場所は、もともと私の母の実家になります。

そしてアトリエの大家さんは、横の母屋に暮らしていた祖母。

私の苗字は内田で、この場所は母の旧姓,冨來(とみき)ということになります。

門柱の表札が冨來だから「アレ?ここじゃないかも」と思われてる方も多かったようです。

 

3年前のアトリエオープンから通っていただいてる方のなかには、

祖母が駐車場側の草取りをしていた時に、

祖母とすこしだけお話をされた方もいたりと、

その風景は私にとってなんだか微笑ましく思えました。

 

そんな祖母も昨年3月、93歳でお星さまになり、

そしてアトリエのインスタグラムでもよく登場していた

アトリエの大店主,愛猫パンダ(ネコだけどパンダ)も、8月に96歳(約20年)でお星さまになりました。

(photo by yasuka)

 

今から5年ほど前に「ココに美容室をつくりたいんだけどどうかな?」と

私が祖母に相談した時、祖母は迷うことなく笑顔で承諾してくれました。

 

もしあの日、祖母が嫌がる顔をみせていたら、

こうしてたくさんの方をアトリエにお招きし、

カットさせていただくことはできませんでした。

 

私はここ大分県大分市,坂ノ市の丹生という地区が大好きで、とても思い入れがある場所です。

幼少期からずっと遊びに来ていたこの地でアトリエを構えることは、

どこか不思議でもあり、だけど必然だったのかもしれません。

(1986年11月27日,お風呂の火を焚いてる兄↓ここは現在アトリエのバックルーム)

祖父母に言われていたことがあります。

「物を大事にしなさい」

あの時代を生き抜かれた方は、必ず口を揃えて私にそう教えてくれました。

その学びの甲斐あってか(断捨離もしますw)
実はアトリエにある什器等はほとんどが母屋にあった70〜120年前のもの。

入口のドアの色やデザイン、一部の什器のデザインは校長先生であり、

詩人でもあった祖父 トミキイタル が6〜70年前に手掛けた当時のまま、塗り直しもしてません。

(photo by cape light)

(photo by yasuka)

 

古民家やリノベーションが流行っていると言われています。

私はあたらしいモノも好きです。

しかし、ただ単に見栄えや、見た目だけというすぐに移り変わってしまう”流行り”ということよりは

もともとそこにあった

【そのモノやコトに対しての思いや、これまで歩んできた物語】ということに、

魅力があると感じています。

 

どこかホッとするような、懐かしいというか、カッコイイというか、これはなかなか言葉や文字では表せません。

 

左:曾祖母の箪笥 約120歳 / 右:叔父の本棚 約70歳

むき出しにした古の柱はそのままに。

窓の位置も元からここにあったもの。

 

もともとそこにいた植物たちは出来るだけ残してつくった駐車場(赤レンガもポールも母屋にあったもの)

 

美容室は入るのに緊張したり、初めての場所はちょっと勇気がいると言われることもあります。

ですが、アトリエはお店というよりは、どちらかというと家に行く感覚(リラックス)で来てもらいたい。

そんな思いもあり、当初から看板らしい看板は置いていません。(後々つけたら突っ込んでください笑)

 

先日、市外からふらっと来てくれた方と、

外でのんびりフィジカルディスタンスでただただお話をしておりました。

こんな感じで寄ってくれることが理想です。

 

“ちょうど藤の花が色づいてきた、

田舎の祖父母の家に来たように。”

 

 

たくさんの方に支えられながら3歳になったアトリエ。

これからも来ていただける方、おひとりおひとりにオープン当初から掲げている目標である

HAPPY ALLDAYS

【 楽しくなること 美しくなること】

のお手伝いを精一杯させていただきます。

 

 

ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。

 

4年目のatelier334も引き続きどうぞよろしくお願い致します。

もう一度、感謝を込めて。

atelier334店主

内田 海平